炭火の持つパワー
七輪は昔から使用されてきた炭火を燃やすための道具です。
炭火は炎をメラメラともやすことなく、高い熱を発生させることができることから暖房や調理など広く利用をされてきました。
日本において木炭を使用しはじめた歴史はなんと新石器時代にまでさかのぼると言われており、長きにわたって人の生活を支えてきたことがうかがえます。
現代においては自宅内で使用する機会はぐっと減りましたが、それでもアウトドアなど十分なエネルギー源を確保することができない場所においては木炭を使った炭火は大変重宝するものです。
ところで炭火を使って調理をしたとき、なぜだかガスやIHを使って同じように調理したときとは異なるおいしさがあるよに感じます。
アウトドアにおいては、近くの川や海でとれた魚を焼くときや、バーベキューで肉や野菜を焼くときによく使用されます。
炭火を使って魚、肉、野菜を焼くと「近赤外線」という電子レンジと同じような効果がもたらされ、内部にすばやく熱を通すことができます。
また炭火は表面が大変高温になるため、外側はパリっと、内側はしっかりと熱の入ったおいしい仕上がりにすることができるのです。
また炭火はもともと木材の燃えカスですが、これに熱を通すと灰が出て食品に付着します。
この灰にはミネラル分がタップリと含まれており、このミネラルが食品の持つアミノ酸という旨味成分を助長することができると言われています。
アウトドアで便利に使うには
便利な七輪ですが、アウトドアで使用するためには七輪の他にも燃料となる木炭やそれに火をつける着火剤などいくつかの道具が必要になります。
屋外で七輪を使用するときにまず必ず用意しておく必要があるのが、まずは七輪本体と、食品を乗せる網、燃料とする炭をつかむためのトング、そして木炭があります。
それに木炭に火をつけるための着火剤と、反対に使用した後に火を消すための火消し壺といったものが必要になります。
他にも調理をするときに持っておくと便利な製品はいくつかありますが、最低限上記のものがないと炭火を使った調理をしていくことができません。
七輪は昔ながらのスタンダードな「丸七輪」という小型のものが一般的ですが、バーベキューなど大勢での食事をするときには大型のタイプもあります。
網やトングは100均ショップで手軽に購入ができるので、七輪のサイズに合わせて買い揃えるようにしましょう。
七輪での調理のコツ
七輪を使った調理をするときに最も重要になるのは“火加減”です。
ガスやIHを使った調理の場合には、強火~弱火の調整はダイヤルやボタンで簡単にできてしまいますが、木炭ではそういうわけにはいきません。
そこで火加減を調節していくために、網だけでなく火からの距離を調節できる台座などが必要になってきます。
アウトドアにかなり慣れた人などは、七輪の上や周囲にレンガを積むなどして高さ調節をしながら火加減をみて調理をしていくことができますが、慣れない人にとってはちょっとむずかしいこともあります。
そんなときは網の他、フライパンなど別の調理器具を準備しておくと、使い分けをしながら上手に調理していくことができます。